スポーツ医学に強くなろう!!

≧第1回≦

経験豊富な病院・医者を選ぼう
ひざ前十字じん帯損傷(1)

 ラグビーの試合を観戦していると、相手プレーヤーの激しいタックルに遭った選手が、ひざの筋肉をひねり、そのまま立ち上がれないシーンに出合う。翌日、新聞を読むと「ひざ前十字じん帯損傷で復帰までに半年かかる見通し」といった記事が載っていたりする。

 ひざ前十字じん帯損傷とは、ひざの前面にあって大腿(たい)骨と脛(けい)骨とをつなぎ、下腿が前方にずれないよう保持する役割を果たしている、じん帯(帯状筋肉でできている)が「ボキッ」というような断裂音を立てて切れ、切れた関節部位に血がたまる病気である。

 別名「関節血症」とも呼ばれ、サッカー、バスケットボール、スキー、バレーボールなどで多い。

 同じひざじん帯損傷でも、もうひとつ「ひざ内側じん帯損傷」がある。ひざ前十字じん帯損傷と違って、じん帯がひざから下へと強く外へひねられたとき(外反)に、じん帯が切れる。ひざ内側じん帯損傷ならば、テーピングやギプスによる固定と安静で完治が可能だ。

 これに対し、ひざ前十字じん帯損傷は、経験豊富で腕のいい整形外科医、スポーツドクターにかかり、手術しなければならない。未熟な整形外科医では治るものも治らず、選手復帰が難しくなる。「病院・医者選び」が大切なゆえんだ。

 患者の腸脛じん帯をとり、これを用いる「守屋式」を考案した千葉大病院整形外科の守屋秀繁教授、じん帯緊張の調節固定具の考案で著名な帝京大市原病院整形外科の村瀬研一助教授、足部・足関節障害の治療と再発予防に実績のある聖マリアンナ医大病院整形外科の青木治人教授らが名医として知られている。

医療ジャーナリスト 丹羽幸一

じん帯損傷の名医10人(1)
医師 所属医療機関・役職名 内  容
安田和則 北海道大病院・外科治療学科教授(札幌市(電話)011―716―1161) 関節外科、特にじん帯損傷外科手術の症例多い。生体軟組織のバイオメカニックス、生体材料のわが国リーダー的存在
村瀬研一 帝京大市原病院・整形外科助教授(市原市(電話)0436―62―1211) ひざ関節障害、特にスポーツによるじん帯損傷、自らが開発した調節固定具を用いた関節鏡下手術を得意とする
守屋秀繁 千葉大病院・整形外科教授(千葉市(電話)043―222―7171) スポーツ障害のひざ前十字じん帯損傷に対する、腸脛じん帯使用の再建術「守屋式」を開発し、移植再建術の先駆者
河野照茂 慈恵医大健康医学センター・スポーツ医学科講師(港区(電話)03―3433―1111) 大学医学部、医大においてのスポーツ医学草分け。障害発生防止と健康増進メニュー作成に高い業績
竹田毅 慶大病院・スポーツクリニック助教授(新宿区(電話)03―3353―1211) 整形外科バイオメカニックス、ひざ前十字じん帯損傷、ひざ内側じん帯損傷クリニックに症例豊富。治療技術高水準
阪本桂造 昭和大病院・整形外科助教授(品川区(電話)03―3784―8000) サッカー、バレーボール、スノーボードに多いひざじん帯損傷に対するMR診断と再建術、リハビリテーションに強い
大西雄太郎 更埴中央病院・外科院長(更埴市(電話)0262―73―1212) 野球やサッカー、スキーによるひじやひざ関節障害治療に優れる。巨人の選手や冬季オリンピック選手多数治療
高松浩一 トヨタ記念病院・整形外科部長(豊田市(電話)0565―28―0100) ひざ関節障害、なかでもひざ前十字じん帯損傷と半月板損傷に良績。大学サッカー連盟・医事委員をつとめる
田中寿一 兵庫医大病院・整形外科助教授(西宮市(電話)0798―45―6111) ひざ・足・ひじ・手関節の関節鏡、術中電気診断装置、ヤグレーザー装置などを駆使した診断と治療法を施す
住吉正行 呉共済病院・整形外科部長(呉市(電話)0823―22―2111) 断裂肢指の再接着治療とひざ関節損傷の治療法に評価が高い。特に障害防止トレーニング・メニュー豊富

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