スポーツ医学に強くなろう!!

≧第12回≦

くしゃみ、せきで足がしびれることも
椎間板ヘルニア(1)

 1つひとつの背骨である椎体をつないでいる椎間板(ついかんばん)は、軟骨からできている。この椎間板のおかげで、一定の姿勢を取り続けることができる。

 しかし、テニスやゴルフなど前かがみの姿勢と腰のひねりを繰り返すスポーツでは、椎間板に圧力が加わり、椎間板の一部が飛び出す椎間板ヘルニアを起こす。起こす場所によって頚(けい)椎、腰椎椎間板ヘルニアなどがあるが、一番多いのが腰椎椎間板ヘルニアだ。椎間板が老化している選手では、1回だけの動作がきっかけで、椎間板ヘルニアが起こる場合もある。

 「椎間板ヘルニアが最も厄介なのは、椎間板の中心にある髄核の周囲の線維輪や脊柱管を通る脊髄(せきずい)神経根を圧迫して、神経痛を起こすことです。髄核の出っ張りが大きいときには、手術による治療が必要な場合もあります」(岡島行一東邦大大森病院第1整形外科教授)。岡島教授の話にあるように痛みとしびれを伴うのが大きな特徴だ。

 椎間板ヘルニアを起こすと、いや応なしにこの痛みとしびれに悩まされる。ひどい症状ではくしゃみやせきで痛みが出たり、しびれが足にくることもある。

 たいていは安静を保ち、整形外科医にかかってコルセットを装着してもらって腹筋や背筋を強くしていくこと(インスツルメンテーション療法)で治癒する。

 痛みとしびれが長く続く場合には「経皮的髄核摘出術」と言って椎間板を除去する手術をした方が良い場合がある。

 どんな病気もそうだが、早期発見・治療が大切である。「しりから足の裏側にかけて痛みとしびれが広がる」のを感じたら、何より専門医にかかることだ。

医療ジャーナリスト 丹羽幸一

椎間板ヘルニアの名医10人(1)
医師 所属医療機関
役職名
内  容
横串算敏
(かずとし)
札幌医大病院(札幌市)
リハビリテーション科助教授
腰椎の痛みのメカニズムに詳しく、腰椎間板ヘルニアの保存的治療法とリハビリテーションの症例豊富
朝妻孝仁 防衛医大病院(所沢市)
整形外科講師
頚部から腰部までの椎間板症を扱い、インスツルメンテーション(装具固定除痛療法)と経皮的髄核摘出術に好成績
高橋淳一 千葉労災病院(千葉市)
外科部長
脊椎・脊髄損傷に症例多数。椎間板ヘルニアの重症例における尿異常などに泌尿器科と連携する治療を行う
高橋和久 千葉大病院(千葉市)
整形外科講師
腰椎間板ヘルニアに対する腰椎前方固定術では1000例以上の良績な症例を持ち、スポーツ現場復帰率高い
松崎浩己 日大駿河台病院(千代田区)
整形外科助教授
ニコチンが脊椎椎間板の変性として及ぼす影響や脊椎椎間板移植、レーザー手術、脊椎固定具開発などに強い
山田文男 片山整形外科記念病院(横浜市)
医師
腰部椎間板ヘルニアの保存的治療法と早期手術、リハビリテーションによるスポーツ復帰への症例を多数持つ
西島雄一郎 石塚整形外科病院(名古屋市)
院長
椎間板ヘルニアに対するレーザーを用いた内視鏡下における椎間板除去に優れる。前金沢医大教授
鷲見正敏
(すみ)
国立神戸病院(神戸市)
整形外科医長
整形外科ベット数69を持つ。腰椎間板ヘルニアのけん引やブロックによる保存的治療法、髄核摘出術に実績
長谷川徹 川崎医大病院(倉敷市)
整形外科講師
腰部椎間板ヘルニアに対し固定器具を用いた保存的治療法、および椎間板の老化と免疫に詳しい
永田晃生 久留米大病院(久留米市)
整形外科教授
頚椎・胸椎・腰椎疾患、特に腰椎間板ヘルニアのCTやMRI画像診断と保存的治療法、手術療法に実績

連載目次

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